鉛板の遮蔽効果(予備実験)

ガイガーカウンターで対象物を測定しようとすると、バックグラウンドの放射線が邪魔になる。そこで少しでもこの影響を減らせないかと考え、ガイガー管を一部鉛などで覆い測定器に指向性を持たせたいと考えている。バックグラウンドはよほどの事がない限りγ線であると考えられるので、予備実験として、測定器を鉛で包み、測定結果がどうなるかを検討する事にした。

手元に鉛板が少量しかなかった為、一番有効な面を鉛で覆いその変化を調べた。
鉛板は0.5mmのものが2枚あったので、カウンターを包むと2重になったので、なし・二重・四重の状態ででの測定結果を調べる事にする。
写真は四重の状態である。

測定は、100回カウントする時間を調べ1分あたりのカウント値を求め、これをn=3で測定した平均値で比較する事とした。
結果を示す。

この結果からは二重(つまり1mm厚)ではほとんど変わらないが、四重(2mm厚)で約17%程低い値が得られた。
今回は部材がここまでであったが、今回の結果から鉛板が厚さ2mmを超すあたりからBGの影響を軽減する効果は得られそうだ。

一応計算
初期放射線量をIoとし、γ線吸収係数μとすると厚さtを通過した後の放射線量I(t)は
 I(t)=Io×exp(-μt)
となるはずである。
セシウムの崩壊時のγ線は多くは0.6617MeVなので、 三井金属エンジニアリング株式会社さんのサイトから0.5MeVの時の鉛の線吸収係数は1.7とあったので、これを用いて、
 exp(-1.7×0.2)≒0.712
となる。この結果から約29%減となるが、本実験では約17%減となった。一部が露出しているので、まあ妥当なのではないかと考えられる。
さらに計算の結果からは、5mmで約57%減、10mmで約81%減となるので、追って実験を行ってみたいと思う。

参考 三井金属エンジニアリング株式会社さん

http://www.mesco.co.jp/product/onshut/ons009.html

食品の放射能測定の補足説明

前回記載させていただきました、「食品の放射能測定の検討」関連についてですが、目的が良くわからないとのご意見を頂きました。ご意見下さった方ありがとうございます。
今回は何故この実験を行ったかをご説明いたします。

今回の福島第一原発の事故で、予想通り葉物野菜に始まり、現在は牛肉の汚染の件がやや沈静化?に向かっている状況だと思います。おそらく今後は海産物に関する事などが出てくるのではないかと心配しています。
尚、ここでお話ししたいことは「食品の汚染を訴えたい」のではなく「事実を知って生活して行く」ということです。その事実を一般の消費者として「知る手がかりはないのか」と言うことで実験を行っています。

尚、ここで述べる事は全くの個人的な意見で、いたずらに不安をかき立てるつもりは全くありません。またこの結果を用いて発生した損害についても一切の責任は持ちません。

今回の実験では、添加するカリウムを多く含む塩を混ぜやすいと考え挽肉+減塩塩の組み合わせで実験を行いました。前提として元の挽肉は汚染が無いものとして考えています。
ガイガーカウンターによる食品の放射能測定の検討その2
ガイガーカウンターによる食品の放射能測定の検討その3

これまでの検討結果では、
1)放射性物質がある程度含まれているものは、無いものと比べてガイガーカウンターで識別できるかもしれない。
2)上記の定量的な判断はこのような簡単な測定方法では判断は難しい。
という結果になると思います。
つまり、国が定めている基準値と比べる云々は別として、ある程度放射性物質が含まれている物であれば、比較的簡単な測定でも多少の情報は得られるのではないかと言うことです。いい加減な判断でも、たとえば冷蔵庫のおかずが傷んでないか臭いをかいでみて「大丈夫かな~」と判断する様なもので、含まれる微生物の数はわかりませんが、お腹をこわさないためには役だっているでしょう。

食品汚染はガイガーカウンターでは測定できないと一般には言われています。おそらく、私も同意見です。しかしながら「測定」はできないけれども、熱いかぬるいか、重いか軽いか等のおおざっぱな情報は得られるのではないかと思っています。何せ放射線は人間が全くといって感じる事ができないのですから。おそらくもっと良い簡易測定方法があるかもしれませんので、引き続き考えていきたいと思います。

とはいえ、ガイガーカウンターで買ってきた食材をチェックしたり実際に毎日できるかと言うとかなり疑問ではあります。また外食が多い私としては、これもまた難しい課題です。せめて子供が食べるものは気をつかってやりたいと思っています。

ガイガーカウンターで測った結果、差が出た食品をどうするか?・・・難しいですね。一応、安全な食品が流通しているのが世の中の前提にはなっています。そうした食品に出会った時、個人がどう判断するかは、予め考えておく必要があるかと思います。安全と言われている食品添加物が多く含まれた食品に出会ったとき、食べるかどうかをどう考えますか?

最後に、私は市場に出ている食品についてここで述べるつもりはないのですが、1回目の実験と2回目の実験で大きな差が生じました。
正確な分析をすればわかるのでしょうが、1回目の実験では、
「元の挽肉は汚染が無いものとして考えています。」
の前提に間違いがあったように思います。・・・非常にブルーな気分になりました。
で、でも、きっと安全な食品が流通しているんですよね・・・・。

1986年のゴールデンウィークは山に登って晴天の中空気が美味しいとか言っていました。後になってチェルノブイリの事故を聞いて、日本にも放射性物質が来たと騒がれました。牛乳が騒がれた記憶があります。
それからしばらくして、秋月電子でガイガーカウンターのキットを見つけたので、何かの役に立つかもしれないと思い、組み立てました。ずーっと自然放射線しかカウントせず、違いが出たのは、山に登ったときカウントが上がる程度しか変化がありませんでした。今回の事故を聞いたとき気休めにでもと思い、お茶の間に置いておきました。3月14日の朝、初めていつもと違った状況が見られました。通常の5倍くらいのカウント数だった記憶があります。ニュースで東京の放射線が騒がれたのはその日の夜の事です。こんなおもちゃみたいなものでも重要な事がわかるのかとびっくりしました。

「知らない方が幸せ」という人もいますが、でもいやな気分になりながら現実知って生きていくのも大切かもしれません。

喜多方ラーメンツアー

最近遠出をしていなかったので、以前一緒に仕事をしていた、K氏・S氏と野郎三人で昼食に行く事にした。
せっかくなので、車両にノートPCを持ち込み、ガイガーカウンターとGPSモジュールを取り付け測定しながら向かうことにした。
写真は予備実験の時の物だが、USB-シリアルアダプターを用いガイガーカウンター(2号機)を接続し、秋月電子で購入したGPSモジュールを取り付け、PCにて連続記録を行う事とした。尚、今回は三人乗車するので、GPSモジュールとガイガーカウンターをトレイにまとめ、後部荷室にまとめて設置した。尚、GPSの電波が拾える様にサイドのガラスに近いように設置している。

計測はエクセルのマクロを使い、1分ごとのカウント値とGPSで測定した緯度経度を取り込む事とした。また比較でいつも使用しているガイガーカウンター(1号機)をダッシュボードに置き比較しながら向かうことなった。本当はK氏が組み立てたキットのガイガーカウンターの検証も予定していたが、残念ながら今回には間に合わなかったとの事である。

朝7時に埼玉県川口の某所に集合し早速東北道に乗る。三人とも真っ当な朝ご飯を食べていなかったので、佐野SAにより佐野ラーメンを食す。腹ごしらえができたので、運転はまのたん、PC操作はK氏、記録・ナビはS氏のMKSコンビで一路福島県へ向かった。矢板SAを過ぎたあたりからカウンターの値が上がり始めたので、高速を降り国道4号を走る事とした。
西那須野塩原ICあたりでカウント値が70cpmあたりがカウントされた。黒磯先まで国道4号と平行した一般道を走行し、国道に合流した。このあたりは30~45cpmで推移、白河あたりで再び50cpm前後を示した。様子見で適宜国道からずれてみながら、郡山市街に向かう。バイパスと分岐する手前あたりから再び50cpm近くになり、郡山市街で再び70cpm近い値を示した。郡山から猪苗代方面に国道4号と別れ走行を続ける。50cpm前後で推移するが、猪苗代方面に向け標高が上がるあたりでカウントが下がり始め、喜多方まで20cpm程度で推移した。これは川口近辺よりやや高い程度の様である。

1時過ぎに喜多方に到着し、ようやく目的の昼食である。多々あるラーメン屋の中で「坂内食堂」がおすすめと聞いていたので、何年かぶりに列に並ぶことにした。(ポリシーとして並んでまでラーメンは食べるものでは無いと考えている。)

ちょっとは涼しいことを期待していたが、とても天気が良く炎天下1時間程並んでいた。

ようやく店へ、肉そばを注文した。

肉そば(要はチャーシューメン)であるが、最初は肉をどけて行かないと麺にたどり着けない。さっぱりとした味で、う~んこれが喜多方ラーメンかぁ~といった感じでした。さらにもう一件ラーメンを食べたのですが、ここにあった青唐辛子餃子がピリッとして美味しかった。

さて、食事も終わり15時に喜多方を出発し、当初の予定通り福島市を通りいわき経由で常磐道で帰る予定だったので、さくっと車に乗り込み、裏磐梯経由で福島市に向かった。福島市街に入る直前まで20cpm前後を推移していたが、国道4号とぶつかるあたりから急激にカウントが上がり、60cpm位まで跳ね上がった。国道114号線を川俣町方面に向かったあたりで今回の最高カウント値82cpmが出、同タイミングでダッシュボードに取り付けた1号機で101cpmを記録した。阿武隈川沿いの国道から少し離れた一般道である。
国道349号を右折し、国道49号線でいわき市街に向かった。田村市に向けカウント値は下がりはじめ、いわきまでは20cpm前後で推移した。

せっかく来たのであるが、既に時刻が20時になっているので、そのまま戻る事とした。
北茨城ICから常磐道に乗り、柏ICまで多少の高低はみられたものの15~30cpm程度に推移した。
柏手前から25~30cpm程度となり、流山を通過し、三郷あたりから20cpmから下がり始め集合場所である川口の某所で15cpm程度になった。

移動しながらの1点測定なので、かなり誤差が含まれていると思われるが、地域・地形による空間線量の違いを確認する事ができたと思う。
また、1号機と2号機は全く同じように作ってあり、並べて連続カウントを取ると数パーセントの差で同じ値を示すことを確認しているが、後部荷室に置いたもの(2号機)とダッシュボードに置いたもの(1号機)では、ダッシュボードに置いた方が概ね高い値を示した。これはダッシュボードに置いたものの方がガラスで外部から見通しの良い場所にあったことが原因では無いかと考えている。車両に設置する際はこの点も注意点だと思う。また、車載する場合はノイズ対策が必要なので注意が必要である。

一連の結果をグーグルマップに記載した物を下記に示す。尚、このデータは移動平均を取っているので、先に示した値よりややまろやかなデータになっている。
尚、ガイガーカウンターは校正を特に取っていないので、[]内で示すuSv/h単位の値はセンサーの特性表からCo60での換算表に基づき表示した。おそらくCe137からのγ線が主であると考えられるが、今回はこのままの値で表示している。


より大きな地図で 2011年8月福島方面 を表示

全行程700km、ずーと運転しながらラーメン3食したらお腹の調子がイマイチになってしまった。今度はわんこそばツアーを復活させたいと思う。

ガイガーカウンターによる食品の放射能測定の検討その3

前回挽肉を用いた実験を行ったが、やや不可解な結果となったため、再実験を行った。
前回と同様に近所のスーパーで豚挽肉を購入し、前回と同様の計測を行った。
計測については、宇都宮さんよりご提案あった様に今回は100カウントとなる時間を計測し、これよりcpmを逆算する方法を取った。(注1)
また、β線を少しでも遮断する目的で前回は鉛版(t=0.5mm)を用いたが、どうもこの鉛版からも若干放射線が出ている感じがあったため、今回は近所のDIYショップより鉄板を購入しこれを用いた。(穴が開いていますが、2枚で穴を互いにふさぐようにした。)


BGの測定状態

パッケージ上での測定

塩の上

鉄板での遮蔽状態

前回と同様に減塩塩の量を5gづつ追加し、0g,5g,10,15gの測定を行った。
前回の反省点であるが、50gの挽肉に10gを超えて塩を加えていくと、肉がかたまり、もそもその状態になってしまうので、しっかりませる必要があるが、手間の問題もあったため前回と同じ方法にて行っている。

測定結果を下記に示す。

今回の結果からは、初期状態と比べ減塩塩を加えた状況では計測カウントが上がっている事がわかる。
尚、15g(~2000Bq/kg)の点が下がっているのは、遮蔽の海に限らず下がっていることから、やはりサンプルの混合ムラ等が原因では無いかと考えている。実際に袋内で塩のじゃりじゃりした感じが残っていた。

さて、前回との比較であるが、下記に参考として前回の実験結果を示す。

注目すべき点は、塩を加えていない状態でのカウント値の違いである。
今回のサンプルではバックグランド(BG)とほぼ近い値であるのに対し、前回のサンプルでは遮蔽なしの状態、並びにパッケージ上での計測結果がBGと比べて高い値を示した点である。また、(前回は鉛を用いたが)遮蔽の有無で差がかなり大きかった点にも違いが見られた。
こうなると、前回のサンプルを詳細な分析をしてみたかったが、どうも普通の状態では無かった様に思われる。
雰囲気的に遮蔽されていない状態で差がみられる事から、おそらくβ線が大きく関わる何かがあったのではないか・・・・日は異なるが、同じスーパーの同じ棚から購入した物でこの様な差がみられたのが非常に気になった結果となった。

注1)
低レベルの計測だと1分で計測を切ってしまうと、切ってしまう為に発生するバラツキが計測結果に入ってしまう為に誤差が増えてしまう事が考えられます。そこで、1分あたりのカウントを測るのでは無く、定回数カウントする時間から割り返す様な方法や、最初から10分間等ある程度の時間のカウント数からcpmを求める様な方法を用いた方が良いと考えました。100回のカウントはおよそ8分程度になるので、前回のN=8でのデータと統計的比較をすると状況がわかる様に思いますが、これは今後の課題とします。
今回作製したカウンターは、1分あたりのカウントと、連続カウントのモードを持っているので、連続モードで測定しました。
ただ、実際には1分程度の測定で状況判断できることは実際に使う際に有効なので使い分ける必要があるかと思います。

ガイガーカウンターによる食品の放射能測定の検討その2

前回の実験結果から、測定は難しそうであったが、一応サンプルを作製し実験を行った。残念ながら実験としてあまり良い結果は得られませんでした。(早い話が失敗)
尚、本実験・考察については一切の責任を追いかねますので、ご承知おき下さい。
間違えている点など多々あるかと思いますので、その際はご指摘頂けると幸いです。

実験方法
前回の減塩塩を、サンプルとして用意した肉に加えビニール袋の上からガイガーカウンターで測定する事とした。
また、参考としてβ線を遮蔽する目的で、今回は0.5mmの鉛版を間に置く事とした。
厳密に重量の管理などを行う必要があるが、今回も大まかな測定を目的にしているのと、センサーのサイズよりサンプルのサイズが大きいので、ここらあたりもザックリ行う事にした。
またサンプルとして近所のスーパーにて国産豚肉を少量購入しこれを用いた。
(すみません高血圧気味なので、実験後食する事ができませんでした。)

肉をビニール袋に移し(約50g)これを箱の中に置き、だいたい同じ形状にしガイガーカウンターで測定を行った。
測定の回数は各々10回である。
測定後、減塩塩を加えビニールの上からよく混ぜ続けて測定を行う。

写真参照

サンプルを計測しているところ。

遮蔽でアルミ板を間に置いたところ。

参考としてパッケージの上から測定したところ。(最初に測った)

結果
横軸に減塩塩に含まれると思われるカリウム40から計算により求めた放射能と縦軸に10回のカウント値の平均を示す。

グラフ中に参考まで、サンプル無し(BG)とパッケージの上に直接置いた時のデータを示す。
遮蔽無しのデータは塩の追加量にかかわらずあまりデータに差が出なかった。また遮蔽ありのデータはバラツキが多いは何となく右上がりの傾向が見られる。

今回は期待したような右上がりのデータを得ることが残念ながらできなかった。これらの原因として、バックグランドがある程度高いので測定がやはり難しい事と、サンプル作製で均一に混ぜる事がうまくいかなかった事が考えられる。これらについては追って考察してみたいと思う。また減塩塩を追加していない状況(パッケージの上のデータ等)でカウント値が高かったのは何故?豚肉の代わりに自分の足の上で測ったデータはBGとさほど差はみられなかったのに・・・。

ガイガーカウンターによる食品の放射能測定の検討

このところ食品の放射能について非常に悩ましい状況にあるが、正確な測定は別にして汚染の有無くらいはせめてガイガーカウンターで測定できないかを確認してみようと実験を行ってみました。
尚、本実験・考察については一切の責任を追いかねますので、ご承知おき下さい。
間違えている点など多々あるかと思いますので、その際はご指摘頂けると幸いです。

評価にあたりまずはサンプルを用意する必要がある。
減塩塩にカリウムが含まれる事をネットで目にしたので、今回はこれを参考に測定を行ってみました。
Wikipediaのデータですが、カリウムの同位体であるカリウム40は自然界に0.0117%存在しており、半減期は1277000000年とあります。
購入した塩には100gあたり27.6gのカリウムが含まれているとの事なので、計算の結果約8550Bq/Kgと計算されます。(下記に計算方法を記載します。)
1袋180gであるのでこれで、おおよそ1500Bqになる計算です。

測定方法
サンプルが無い状態とある状態での1分間のカウント数を計測し計測の結果優位な差がみられるかを確認しました。
またβ線の影響についても比較したいと考えたので、手元にあったアルミ板(厚さ1mm)を置いた状態での測定も測ってみます。
計測回数は各々10回としました。

写真

バックグランド測定

塩の上

アルミ板を間に入れる

測定結果
カウント数(CPM)
机    塩の上    アルミ板あり
14    18       14
13    19       24
13    16       9
11    20       13
12    27       17
17    24       15
11    11       20
11    13       17
10    18       16
13    18       12
平均値
12.5   18.4      15.7

上記結果よりt-検定を行い塩の上と無い状態で有意な差がみられたが・・・微妙ですね。
ベクレル数の割に計測値に大きな差が出ない・・・微妙なものはわからないかも・・・。

わるあがき
(以下かなり無理矢理な計算をしてみます。)
1500Bqのものがあってもこの程度の差しか出てこないのであればちょっと厳しいですね。
減塩塩のパッケージは袋の面は110×70(mm)である。サンプルを直方体と仮定しセンサーの投影面積が40.8×15.1であるのでサンプルの中央にセンサーが来ているとすると、厚さ方向を無視してセンサーを通過するであろう部分は面積比で考えられると思うので、
センサーの投影面積/パッケージの面積/2(裏面があるので)=0.04
となる。従って1500Bqのうちセンサーで拾える値がざっと60Bqあたりかと考えられる。

また、カリウム40の崩壊で出てくる粒子は
β線(89%)
γ線(11%)
であるので、γ線でみた場合はさらに10分の1程度になることが予想される。

アルミ板によるβ線の遮蔽効果とか到達距離等等をもう少し評価しないといけないですが、
崩壊により95%位γ線がでるセシウム等では食品の暫定基準値程度(500Bq/Kg)のものは丁寧に測ればわかるかもしれません。
但し、あくまでも「その程度のものがあるか」がわかるだけであって、数値で比較をするような事は難しいと思います。

ちなみにカリウム40での成人男性の放射能は同様の計算で62Bq/Kgとなりました。
カリウム濃度は多分動物で極端に違わないと思うので、汚染されていない肉でも数十ベクレルのカリウム40がある感じかと思います。

参考:計算方法
単位時間あたり崩壊する確率をDとする。
原子数をN(t)とし時刻dt後の原子数N(t+dt)は
  N(t+dt) = N(t)-N(t)・Ddt
となるので、
  dN/dt = -N(t)・D
となりこれより
  N(t) = N(0)・exp(-Dt)
となる。半減期T(単位秒)経った時点で原子数は初期値の半分となる事から
  N(0)/2 = N(0)・exp(-DT)
となり
  D = LN(2)/T
となる。
これより原子数がNの時のベクレル数Nbは
  Nb = N・LN(2)/T
となる。

参考ページ
半減期の数学・ベクレルとモル数
カリウム40
ガイガーカウンターの性能について私見

ガイガーカウンターの製作

ガイガーカウンターの作製記事は既に多くの方が書かれておりますが、どういった装置で測っているかをご説明する意味合いで記載いたします。

つたない英語でGM管を何とか入手できましたので、ガイガーカウンターを製作しました。
制作にあたり下記を目標としました。
・小型であること
子供に携帯させる事ができる事(これは難しかったのでとりあえず今後の課題です。)
・PCと接続できること
PCからの命令で、現在のカウント値と直前1分間のカウント値を返す
・電源としてボタン電池等を用いる事(小型にする為)

とりあえず完成したものは下記です。

内部はこんな感じです。

センサーはマイカ窓のGM管でLND712(LND社)を用いました。
動作電圧は  500V
アノード抵抗 10MΩ

回路図は下記です。

高圧トランスは秋月電子の極細冷陰極管小型インバータよりトランスを取り外し使用しています。
最近は単体での入手が難しく、インバータとのセットで無ければ入手できない様です。

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-00400/

今回製作で難しかった点は
・電圧が500Vに上がらない。
・高圧パルスのノイズが回り込み計測できない
がありました。ノイズに対しては写真及び回路図をみていただければわかりますが、
銅箔テープを用いトランス周りをシールドしました。

電圧の件は、組立後センサーが検知していない様でしたので、高圧プローブを用いオシロスコープで確認したところ、2次側の電圧が全く上がっていませんでした。そこで、高圧発生用のパルスを短いパルスを複数発生させる事により所定の電圧を得ることができました。

各々のパルスの幅と回数は実験により求めました。
実験例

(このような電圧のかけ方をしている関係もあってノイズ対策が必要なのかもしれません。)

当初はLCDを付ける予定でしたが、PICの容量の問題などもあり、ダイソーの万歩計を用いました。万歩計のリセットボタンによりPIC内部のタイマーをリセットし、1分間だけ万歩計をカウントさせる仕様にしてあります。
最初カウント漏れで苦労いたしましたが、ラジペンさんの日記を参考にさせていただきました。
とりあえず電池の保ちと、測定する場所などからR1の値を100KΩとしました。

動作結果
自宅の部屋(埼玉県南部、木造2F)での測定結果と、比較としてランタンのマントルの上で計測した結果を示します。

LND712でCPMとμSv/h(Cs137換算)は諸説ありますが、今回はセンサーの添付資料から0.0094程度と見積もりました。
この値を用いると
11.9cpm~0.11μSv/h
となり、周りに土が多い環境ですので、ほぼ妥当な値では無いかと考えられます。
(絶対値についてはあまり正確では無いですが・・。)
また本結果より、バラツキがかなりあることがわかりますので、特に低レベルでの測定は難しいことがわかります。

制作にあたり下記を参考にさせていただきました。
・ガイガーカウンタの部屋
秋月電子「γ/β検出・ポケットガイガーカウンタキット」取説
・100円ショップの万歩計(歩数計)の高速化、ダイソー編

次回は本装置でいろいろ調べた事と、異なるセンサーとの比較などをまとめてみたいと思います。
また、PICのプログラムについても改めてまとめてみたいと思います。